先週、母から『重影』というドラマが面白いよとLINEが来た時、私はロンドンの自宅で紅茶を淹れていた。早速腾讯视频を開いてみたけど、あのよく見る「この地域ではご視聴いただけません」の表示が——まさに日本でいう「地域ブロック」だね。
母が送ってきた予告編を見て驚いた。高葉演じる主人公が雨の中、陳靖可演じる相棒と向き合うシーン。二人の目の奥に光る、あの複雑な感情——悔しさと覚悟が混ざった表情は、昨年実家に帰った時、大病を乗り越えた叔母が「人生、諦めないで」と言った時の顔にそっくりだった。
特筆すべきは馮小剛監督の演出だ。あるシーンで、主人公たちが古びたアパートで証拠を探す場面——カーテンのほこりが陽の光で舞い上がり、机の上に置かれた冷めた茶碗蒸しから湯気が立っていない。こういう細かい描写が、現実の生活感をしっかり伝えている。
母と電話で話したら、彼女はもう8話まで見終わっていた。「鄭愷の演じる役がね、最初は冷たいと思ったけど、実は…」と言いかけて、私がまだ見られないのを思い出し、慌てて話題を変えた。あの時、子どもの頃、母がこっそりケーキを食べていて、私に見つかって慌てた顔を思い出した。
Twitterで『重影』の感想を検索したら、日本の友人も「見たいけど見られない」と嘆いていた。特に第5話のラスト、唐曾演じるキャラの意外な行動に、中国在住の友人は「思わず叫んじゃった」と興奮気味に報告してきた。
実は私、去年までは北京に住んでいて、こういう話題のドラマをリアルタイムで追いかけていた。毎週水曜の更新を楽しみに、会社の同僚と「あの証拠、やっぱりあの人じゃない？」なんて話していたものだ。今では時差のせいで、みんなの盛り上がりに乗り遅れてしまう。
母が最新のあらすじを教えてくれた——薛昊婧演じる若い刑事が、葛鑫怡演じる証人を守るため、自ら危険に飛び込む決意をする場面。母は「あなたが高校生の時、いじめられてた子を守った時みたい」と言ってくれた。そういえば、あの時も周りの女子たちが支えてくれたなあ。
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